神道と皇室 2012 12 9
私は、皇室をめぐるニュースについて気にかけていますが、
ひとつ書いておきたいことがあります。
それは、神道と皇室のことです。
天皇は、日本神道という宗教の中心に位置しています。
キリスト教で考えれば、ローマ法王に近い存在です。
さらに、神道には、
儀式はあっても、教義はないと言っても過言ではありません。
だからこそ、神道では、儀式が重要となっています。
そういうわけで、日本では、古来、
仏教や儒教を教義として輸入してきたのです。
近代日本においては、キリスト教でしょうか。
このようなことを書くと、欧米人は驚くでしょうが、
神道とは、そういう宗教です。
このような形式を宗教学では、「重層信仰」と言うのかもしれません。
中東では、キリスト教(ユダヤ教)とイスラム教の対立が続いていて、
「文明の衝突」とまで言われています。
これは、見方を変えれば、「教義」同士の衝突とも言えるでしょう。
宗教の教義そのものが、ぶつかり合っていますので、
中東の平和は、遠いものがあります。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という三つの宗教の教義を超える、
新しい宗教が出現しない限り、
あるいは、こうした宗教の教義を統合できるような新しい宗教が出現しない限り、
中東の戦いは、続くでしょう。
神道の未来は、今のところ、わかりませんが、
神道に儀式はあっても、教義はなく、
仏教や儒教を教義として輸入してきた歴史が、
宗教戦争を防ぐための参考となれば、幸いです。
日本神道 Shinto religion 2004 4 7
現代の日本人は、神道について知らない人が多くなりました。
また、外国人にとっては、どのような宗教か、興味があるでしょう。
旧約聖書に、創世記があるように、
神道にも、天地創造の話があります。
天地創造の後、
タカマガハラ(高天原)に、現れた神が、三人います。
アメノミナカヌシノミコト(天御中主命)
タカミムスヒノミコト(高御産巣日命)
カムムスヒノミコト(神産巣日命)
旧約聖書では、
アブラハム、
イサク、
ヤコブと連想するでしょう。
さらに、神道には、女神が登場します。
アマテラスオオミカミ(天照大神)
西洋の世界では、
聖母マリアを連想するでしょう。
神道には、もう一人、女神が登場します。
その女神とは、ヒムカ(日向)です。
このように、神道においては、
男性の神だけでは、「調和」や「優雅さ」、
そして、「美しさ」というものが表現できませんので、
女神が、重要な役割を果たしているのです。
日本の国を表現する時、
「秩序」、「調和」、「優雅さ」というものがあるでしょう。
こうした大和心を、女神が表現しているのです。